2015年3月29日日曜日

BVMの点検は定期的に

 カンガルーBLSのブログの記事でもじわじわとした人気を保っているのが後藤さんの書いた「BVM(バッグバルグマスク)の組み立て方について」という記事です。

「BVM(バッグバルグマスク)の組み立て方について」
http://kangarooreport.blogspot.jp/2013/01/bvm.html
(ちなみに観覧数は他記事平均の約100倍ですΣ(・ω・ノ)ノ!)

 講習の申し込みでも「BVMの組み立て方を学びたい」というご意見が時折あります。
 BVMは医療従事者にとって関心の高いもののひとつなのだと思います。

 実を言うと私も、BVMのひやり体験を聞いたことがあります。
 とある患者さんの対応にて、けいれん重責発作で再度けいれんが起こり、呼吸状態が急激に悪化。
 その頃は緊急時に使いやすいよう、BVMはバルブ部分を壁にフックでかけて保管しており、
 それを医師が使ったところ「シューシュー」と音が。
「漏れてるんじゃないか? これじゃだめだ!」
 すぐさま予備のBVMを使用し事なきを得た・・・、といったことがあったそうです。

 さて、BVMは以下のような構造をしています。

バッグバルブマスク
(アンビュー社製のものが有名なのでアンビューバッグと呼ぶ人もいる)

 補助換気のための「バッグ」
 一方方向に酸素を流し逆流を防ぐための「バルブ」
 顔に当てて酸素を鼻・口から送る為の「マスク」
 まさに名は体を表す、名前そのままが基本構造です。このままでも空気中の酸素を送ることが出来、それに酸素チューブとリザーバー、酸素が加わると高濃度酸素を流すことが出来ます。

 落ち着いてから皆で確認したところ、バッグからマルクへとつながったバルブが劣化しており酸素が漏れやすい状態となっていたそうです。
 以降、バッグバルグマスクを組み立てておき壁に下げるということをやめ、組み立てたものは袋に入れて下げ、管理するように。

 BVMは単純な仕組みだからこそ、一部分が壊れてしまうと全く使えなくなる危険があり、緊急時にすばやく使えるよう工夫した管理が必要です。

 また、後藤さんの記事でもピックアップされていますが、
 BVMの一方弁を反対に組み立ててしまい医療事故になったというケースもあります。
http://www.qlifepro.com/news/20130123/manual-pulmonary-resuscitators-misassembling-a-past-2-of-2-to-4-years-malpractice.html

 コスト面でなかなかディスポには切り替えれない現状、組み立てて終わりではなく「ちゃんと使えるか?」チェック項目を用いて(接続を確認する、空気を流して点検するなど)しっかりと管理すること。
 また、最初の点検で終わりではなく、使わなくとも定期的に点検するように工夫し、事故を未然に防ぐようにすることが大切です。

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